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健全な自己肯定感のための健やかな精神の保ち方-前編

生きていれば気持ちがふさいだり、ネガティブ思考になることを避けることはできないけど、自己肯定感が低い人や自信のない人は気持ちがふさいだり、ネガティブ思考になった時のダメージや回復までの時間が、自己肯定感が高い人や自信のある人と比べると大きいし、時間がかかります。

でも、自分の身体の仕組みを理解するだけで気持ちがふさいだり、ネガティブ思考になる頻度を減らしたり、ダメージを小さくすることは可能で、健全な自己肯定感を維持しやすくなるです。

ストレスの正体を知る

一般的になった「ストレス」という言葉。でも、ストレスって何なのか説明できる人って少ないのではないでしょうか?
ストレスは大脳新皮質と大脳辺縁系の思いが相反した状態なのです。
まずは脳の構造から説明していきますね。

脳の構造

脳は三層構造になっています。

別名「魚の脳」の脳幹

一番内側にあるのが脳幹。
別名「魚の脳」と呼ばれ、「生物として生きる」がモットー。
24時間365日休むことはありません。

この脳幹には視床下部があります。
視床下部は人間が生きていくうえで非常に重要な自律神経の最高中枢となっていて、血圧の制御、体温調整、ホルモン分泌など基本的な生命機能をつかさどっています。

ちなみに、水の音やお風呂に癒されると感じたことのある方は多いと思うのですが、これは、この「魚の脳」が癒されるためなのです。

別名「動物の脳」の大脳辺縁系

真ん中にあるのが大脳辺縁系。
別名「動物の脳」と呼ばれ、「たくましく生きる」ことがモットー。

食欲や性欲などの動物と共通した本能である欲求や好き!嫌い!などの情動や運動神経を管理しています。

別名「人間の脳」の大脳新皮質

そして一番外側にあるのが大脳新皮質。
別名「人間の脳」と呼ばれ、「より良く生きる」がモットー。

言語機能、記憶・学習能力、創造的思考能力などの中枢で、私たちがお仕事できるのは、この大脳新皮質が活躍してくれているお陰なのです。
大活躍な大脳新皮質ですが、なんと新聞紙1枚程度の薄さしかないのです。

脳幹、大脳辺縁系、大脳新皮質のそれぞれの役割、ご理解いただけましたか?
これを覚えておくと、自分の体に起こるさまざまな不調が理解できるようになりますよ。

なぜストレスを感じるのか?

さて、あなたはストレスを感じたことはありますか? YESですよね…。
では、このストレス、何故感じるのでしょうか…。

例えば、連日の飲み会で会議中に眠くて仕方のないあなた…。

『眠いから寝てしまおう…。』と思うのは大脳辺縁系。
動物は寝たい時に寝ますよね。

でも『寝るのはマズイ!』と思うのは大脳新皮質。
社会人として会議の席で寝るなんてとんでもない!!と理性的に考えます。

ここで、大脳新皮質と大脳辺縁系の思いが相反していますよね。
大脳新皮質と大脳辺縁系がケンカしてるんです。
大脳新皮質と大脳辺縁系のケンカした状態がストレスなのです。

この状態が大脳辺縁系→脳幹→視床下部と伝わっていきます。
視床下部は体温調整、ホルモン分泌など基本的な生命機能をつかさどっているので、視床下部に負担がかかると、基本的な生命機能に異常が起きます。

食欲がなくなる、眠れなくなる、生理周期が不安定になるなど、これらは、全て視床下部に負担がかかり、自律神経が異常を起こした状態なのです。

香りと脳の関係

視覚や聴覚など嗅覚以外の感覚が、大脳新皮質を経て大脳辺縁系へ到達するのに対し、嗅覚はダイレクトに大脳辺縁系へ入ります。このため、香りの好き嫌いは本能的な判断で感情とリンクするのです。
大脳辺縁系は別名「嗅脳」とも呼ばれるほど、香りと相性がいいのです。

「わけもなくイライラする」といったような理性ではコントロールできない感情が、心地よい香りを嗅ぐことによってリラックスができたり、イライラが緩和されることがあるのはこの仕組みによるものなのです。

最高のストレスリリース法はこれ!

ストレスのない生活をしようと思ったら大変です。
なので、取り除くのではなくうまく付き合う方法、ストレスをリリースする方法を持つことが必要です。

脳の仕組みから考えても、飲んだり、食べたり、買い物をしてもストレスはリリースされません!

水の音やお風呂で「魚の脳(脳幹)」が癒されるので、良い香りの入浴剤を用いてお風呂に入るのは、理に適ったストレスリリース法なのです。

幸せホルモンを味方にする

セロトニンは 「ノルアドレナリン」や「ドーパミン」と並んで、体内で特に重要な役割を果たしている三大神経伝達物質の一つで、感情や気分のコントロール、精神の安定に深く関わっています。人間の精神面に大きな影響を与え、心身の安定や心の安らぎなどにも関与することから、オキシトシンとともに「幸せホルモン」とも呼ばれます。
セロトニンが不足すると、うつ病や不眠症などの精神疾患に陥りやすいと言われています。

セロトニンは、一般的に10歳代をピークにして加齢により減少していくので、歳を重ねるごとにストレスの影響を受けやすくなってきます。したがって、日常的にセロトニンを活性化することを意識することが、ストレスに負けないメンタリティの強化につながるのです。

セロトニンは日常生活の中のちょっとした心がけで増やすことができます。

太陽の光を浴びる

太陽の光を浴びることで、脳内でセロトニンが分泌されますので、一日15〜30分を目安に日光を浴びる習慣をつけましょう。セロトニンは起きている間はずっと分泌していて、寝ている間はストップするという特徴があるので、朝起きたら太陽の光を浴びてスイッチを入れることが大切です。
また、昼間にセロトニンが充分に作られることで、安眠のホルモンであるメラトニンが作られます。セロトニンが作られないと眠りのホルモンも作られないのです。
不眠に悩んでいる方は多いと思いますが、不眠を解消するのも太陽の光なのです。

参考書籍:自律神経をリセットする太陽の浴び方 幸せホルモン、セロトニンと日光浴で健康に

リズミカルな運動をする

適度な運動は、セロトニンを増やすのに役立ちます。特に筋肉の緊張と弛緩を一定のテンポで繰り返す「リズム運動」が適しています。ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなどが当てはまります。

リズム運動には、効果的な運動継続時間があり、運動を始めて5分後くらいからセロトニン濃度が高まり、20~30分でピークに達します。それ以上運動を続けて、疲れたと感じるレベルになると、かえってセロトニンの機能は低下してしまうので、30分を目途に行うようにしましょう。

朝、太陽の光を感じながら行うとより効果的ですね。

参考書籍:「セロトニン脳」健康法 呼吸、日光、タッピングタッチの驚くべき効果 (講談社+α新書)

トリプトファンを摂取する

セロトニンは脳内で作られますが、その材料として必須アミノ酸の「トリプトファン」が必要になります。トリプトファンは体内で生成できないため、食事から摂らなければなりません。トリプトファンは豆腐や納豆、味噌などの大豆製品やヨーグルトやチーズなどの乳製品、米などの穀類のほか、まぐろとかつおといった赤身の魚、ごま、ピーナッツ、卵、バナナにも含まれています。

腸内環境を整える

セロトニンは9割が「腸」で作られていることがわかっています。トリプトファンが腸内細菌の働きによりセロトニンの基を生成し、そのセロトニンの基が脳へと伝達され、それが脳内でセロトニンへと変化して体内に分泌され、心身に安定をもたらします。

腸内環境が良いと十分な量のセロトニンの基が脳へ送られるため、セロトニンが増えて精神状態が安定する一方、腸内環境が悪いとセロトニンが足りずにイライラや不安感の原因になります。


健全な自己肯定感のための健やかな精神の保ち方-後編は睡眠、女性ホルモンについてです。

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