fbpx

子どもの「やってみたい」をぐいぐい引き出す!「自己肯定感」育成入門‐読む自己肯定感

このコーナーでは自己肯定感に関する本や論文などを”ななめよみ”しています。今回は書籍「子どもの「やってみたい」をぐいぐい引き出す!「自己肯定感」育成入門」をななめよみ。

自己肯定感とは「自分はここにいていい」という感覚

自己肯定感とはわかりやすく言えば、「自分はここにいていい」という感覚です。
「自分はここにいていい」という感覚を持っている子は、放っておいても新しいことに取り組もうとします。また失敗してもくじけずに、繰り返しチャレンジしようとします。

まさに 3.  失敗を恐れて挑戦しない ですね。

日本の子どもの「自己肯定感」は世界の中で極めて低い

過去の国際的な調査によると、日本の子どもの「自己肯定感」は世界の中で極めて低い、という残念な結果が出ています。この「自己肯定感の低さ」が、日本人がチャレンジしなくなり、国際社会の中で成長への大きな「壁」になっている。

その理由として考えられるのが、 10.  謙遜が美徳11.  叱る教育12.  協調性が大事 だと思います。自己肯定感に関わらず、これらは悪しき習慣だと思っています。

成長や努力に気付かせてくれる言葉

子どもの自己肯定感を支えるのは、無条件で自分の存在を受け入れてくれる「安全基地」の存在です。その「安全基地」を堅牢なものにしておくためには、子どもが何かを達成したとき、結果そのものではなく、子ども自身がどのように努力をしたのか、ということを評価することが重要。
(中略)
「成果」に対しては、「どんな結果であっても受け入れる」
(中略)
「挑戦したことそのもの」つまりプロセスを認める。
(中略)
子どもの自己肯定感を高めてくれる言葉とは、「できた」「できない」といった事実にフォーカスした言葉ではなく、もっと小さな、自分でも気付いていなかった、成長や努力に気付かせてくれる言葉だと思います。

例えば、テストで70点をとっても『がんばったね!』と言われれば認められたと感じることができますが、90点をとっても『100点じゃなかったんだね』と言われれば、否定されたわけではないけど、認められてもいないということになり自己肯定感は低くなります。

現代って結果が全てて、結果だけにフォーカスしてしまうことが多いけど、「成長や努力に気付かせてくれる言葉」というのは大事ですね。

身近で短期間の目標を立てる

子どもの自己肯定感を下げる要因のひとつに「高すぎる目標設定」があります。
(中略)
何かに挑戦するとき、私たちはつい大きな目標を立てないといけないような気持ちになりますが、じつは、すぐに達成できそうな目標を立てるほうがいいのです。
(中略)
あまりに遠い目標ではなく、身近で短期間の目標を立てるほうがいい。
100%できるとわかっていることあえて目標にする。

これは私自身もやっています。
身近で短期間の目標を立て、クリアすることで成功体験を積み重ね、自信をつけていく。

自己肯定感の低い人、自分に自信のない人は、大きな目標を持っていることが多いように感じます。
大きな目標が悪い訳ではありませんが、大きすぎてクリアできないことで『自分はダメだ…』『どうせできない』となるくらいなら、小さな目標でいいし、むしろない方が良いと思います。

子どもを「ちょっと前の子ども」と比べる

ほとんどの親は我が子を「周りの誰か」と比べてしまう。
自己肯定感を育てる上ではできるだけ避けた方がいい。
(中略)
大人たちがつい「比べて」しまうのは、大人自身がつねに相対評価にさらされているから、ということも大きいでしょう。
(中略)
子どもが本来持っている長所や能力を十分に発揮させるには、比較対象を外ではなく、内側に持つということが必須条件になります。つまりやるべきことは、他の子どもと比べるのではなく、「以前のその子と比べる」ということなのです。
(中略)
子どもはその成長に自分では気づけない。
(中略)
「同い年の他の子」と比べない、「兄弟姉妹」と比べない、「昔の自分」とくらべない。

他の子どもや兄弟姉妹と比べるというのは、よくありがちですが、良いことは1つもないんですよね。

比較されると低くなる

親からすると、子どもの意欲に繋がればと思い、良かれと思ってする比較する場合もあるかもしれませんが、された子どもからすると、比較された相手に比べ、自分は劣っていると受け取り自己肯定感が低くなります

親の愛情を疑うようにな

誰かと比べられると『自分はダメな子だと思われている…。』『自分のことなんかどうでもいいんだ…。』と感じ、親の愛情を疑うようになると、愛情不足感から必要以上に反抗的になることもあります。

兄弟姉妹仲にも影響する

また、比べられた相手を恨む気持ちも出てくるので、比べる相手が兄弟姉妹だと兄弟姉妹仲にも影響し、それが生涯にわたって続くこともあるのです。

失敗を悪いものと思い過ぎない

大人の失敗経験が減り、寛容力が下がった結果として、子どもが挑戦しなくなっている。
(中略)
人は失敗しなくなり、ちょっとした失敗が「ありえない」などと言われるようになりました。「不寛容社会」と言われる状態も、そのような時代の産物でしょう。
(中略)
子どもたちが失敗したがらなくなったのは、そもそも大人たちが失敗を恐れているからだというのが、私のたどり着いた結論です。
ですから、親がまず、失敗を悪いものと思い過ぎない、ということが大事。
(中略)
大人が弱みを見せることで、子どもの視野は広がり、器も大きくなる。
(中略)
「なぜ負けた?」と原因を追求したりする対応もあるでしょう。いずれにしても結果が出たことに対する課題追求型の姿勢です。
一方で「何を学んだ?」という問いかけは、あくまでこれからに向かう姿勢で、未来創造型の姿勢。
(中略)
子どもが失敗したときこそ「よく頑張ったね」とほめることが、自己肯定感を育むうえではプラス。

失敗=ダメな私ではなく、失敗=経験だと思っています。

冷静に受け止め分析する

失敗をしたときになぜそうなったのか、何がいけなかったのかを冷静に受け止め、分析し、同じ失敗を繰り返さないようにすれば、失敗をするたびに成長することができます

ミスや失敗を引きずることによって得られるメリットは何もないのです。

「うまくいかない」という発見を得ただけ

発明王エジソンは人から「もう一万回は失敗しているじゃないか。電球の発明から手をひいた方がいいんじゃないか?」と言われたそうです。このアドバイスに対して、エジソンは

私は失敗なんか一度もしていない!一万回「このやり方ではうまくいかない」という「発見」を得ただけさ!」と答えたそうです。

失敗は上手くいかない方法を知る(知った)経験なのです。

「コーチ」の目線、「対等な人間」としての目線

親の気が利きすぎるということは、子どもにとっては諸刃の剣です。
子どもは受け身であることが自然になってしまい、なかなか自立心や自分の意思を持つことができません。
(中略)
親としての立場を忘れ、選手を冷静に見守り励ますような「コーチ」の目線、またときには失敗や欠点を許し合うような「対等な人間」としての目線を持つこと。
(中略)
コーチ(親)にできることは、子ども(選手)を冷静に見守り、アドバイスすることだけです。
(中略)
親が先回りして言葉にしたり、行動したりしてしまうと、子どもは受け身でいることが当たり前になってしまい、自己主張するトレーニング機会を失います。
つまり、「言葉にしないと何も伝わらないよ」という態度で、子どもが自分の気持ちを言葉にして発するのを根気よく待つ。

気が利きずぎるって、実は良いことじゃないのかもしれません。
親の場合は前述の通りだけど、男女間や会社でも、妙に気が利きすぎるとデメリットしかないような(笑)
何事も適度が良いですね。

他者との関係によって自尊感情が決まる日本

「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査(平成25年度)」の調査では、どの国でも「長所」が自尊感情に最も影響があったという結果が出ていました。そこで、じつは日本だけにある特徴が見られました。

それは「日本人は他者との関係で自尊感情が決まる傾向が強い」という特徴でした。
ほかの諸外国では「長所」「主張性」「挑戦心」という自分の特徴を、自分自身で認識して自信を持つのに対して、日本の若者は「自分は役に立つ」「まわりを信じられる」という他者との関係によって自尊感情が決まる要因が大きかったのです。

興味深い内容だったので、こちらの研究データを読んでみました。
どうして有用感で自尊感情が決まるのか…こちらの研究ではこんな結論。

発達的にみる と、10 代後半とは思春期の特徴が強くなり、自立意識が促される時期でもある。また心理学的に は、この時期は思考が発達することで、既存の物事や社会のあり方を批判的に捉えることができ るようになる時期でもある。
思春期にこうした批判的な思考が深まり、それが自分自身に向かうことで自尊感情の低下が引き起こされる可能性が指摘されている。

このように考えるなら、この時期というのは、批判的に考えられるようになることで、いったん社会の既存の価値観から距離を置き、「役立つ」ということから解き放た れるべき時期なのかもしれない。
したがって、他国の若者の自分への満足感が自己有用感から切り離されて成立しているというのは、発達心理学的には自然な姿のようにも思われる。

そういう時期に、日本の若者だけが「役立つ」という価値観にとらわれて、自分への満足感が影響を受けるということは、一見すると先行世代にとっては、日本の若者はまじめで好ましく思え るかもしれない。しかし果たしてそれが若者自身にとって良いことなのかということはさらに問 い続ける必要があると思われる。

子育ての目的は「子どもの自立」

子育ての目的は「子どもの自立」
(中略)
「親は親、子は子」という考え方は自己肯定感を育む上でプラスになる。
日本の親御さんは、「子どもにまつわることを、自分ごとと捉えすぎている」ケースが多い。
(中略)
親が子どもの人生に過剰に介入することで、子ども自身は「自分で何かを決め、その結果を受け止める」という経験が積み重ねられません。
そうすると、いつまでも「自分の選択や行動に責任を持つ」ということが感覚的にわからない。必然的に「何かトラブルが起きたときに、つい誰かのせいにしてしまう」「そんな自分も好きになれない、自信が持てない」という悪循環が起こりえます。

私の自己肯定感の高さはまさにここからだと思います。母がととにかく「自立」することを意識した(実際には無意識だったと思いますが…)子育てでした。

「自分で決めなさい」「あなたの人生だから」という言葉をよく覚えています。
だからって放っておくわけではなくて、ちゃんと見守ってもらえてるという感覚はありました。

短所矯正型の考え

日本の教育には「弱いところ、足りないところを改める」という短所矯正型の考えがあります。
(中略)
短所は克服しようとばかりしてはもったいないと、私は考えます。

物事には必ず裏と表があって、短所が裏ならば、かならず表面の長所があります。これはカウンセリングの中でもよく話します。

例えば、「いい加減な人にイライラしてしまう」という場合、単に「イライラしないようにしましょう」というのは解決法ではありません。
なぜ、「いい加減な人にイライラしてしまう」 のか…その理由はその人の性質に答えがあるのです。

「几帳面で完璧主義で何事も丁寧」という性質だから、「いい加減な人」というのは理解できなくてイライラする。

「いい加減な人にイライラしてしまう」 という感情が起こるのは、「几帳面で完璧主義で何事も丁寧」という性質だからであり、これはこの人の長所なのです。

この長所を理解することで、起こる感情を理解できるし「しかたないなぁ」となる。これが大事なんです。
短所を矯正する必要なんてないんです、長所を知ればいいだけ。

自己肯定感のターニングポイントは「小3」と「中1」

自己肯定感のターニングポイントは「小3」と「中1」
(中略)
「小3」のつまづきは、勉強でのつまづきがじわじわと学校生活全体にも影響し「自分はまわりと比べてダメなんじゃないか」という気分につながっていく。
(中略)
「中1」は環境の変化や、子ども自身の内面的変化の影響を受け、自己肯定感が下がりやすい。

時期がわかっているなら、その少し前から親が準備をしてフォローしてあげることはできますね!

まとめ

この本、子育て中の全ての方に読んでいただきたいと思いました。
特に興味深いと思ったのが、失敗と不寛容社会の繋がり。もっと失敗を受け止められる社会にしたいですね。それは子どもだけでなく大人のためにも。

読む自己肯定感
最新情報をチェックしよう!