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我が国と諸外国の若者の意識に関する調査‐読む自己肯定感

このコーナーでは自己肯定感に関する本や論文などを”ななめよみ”しています。
今回は調査報告書「自己肯定感を育む環境をつくる」をななめよみ。

自分への満足度

日本の若者は、「私は、自分自身に満足している」に『そう思う』(「そう思う」と「どちらかといえ ばそう思う」の合計)と答えた割合は 45.1%であり、他の調査対象国の若者に比べ「自分への満足感」 が低い。日本の若者について男女別にみると、男性の方が『そう思う』と回答した割合は高い。

諸外国に比べて「自分への満足感」 が低いというのは相変わらずなのですね。
男性の方が『そう思う』と回答した割合は高いということは、女性の方が満足していないということ…理由はなんだろう。

自分の考えを相手に伝えることができる

日本の若者は、「Q1(d)自分の考えをはっきり相手に伝えることができる」や「Q1(e)うまく いくかわからないことにも意欲的に取り組む」に『そう思う』と回答した場合は、「自分自身に満足し ている」に『そう思う』と回答している割合が高い。 一方で、「Q1(g)自分は役に立たないと強く感じる」に『そう思う』と回答した場合は、「自分自身に満足している」に『そう思う』と回答している者の割合が低い。

自分自身に満足している人は、「自分の考えをはっきり相手に伝えることができる」し「うまくいくかわからないことにも意欲的に取り組む」ことができるということ。
自分は役に立たないと強く感じていれば「自分自身に満足している」とはならないですよね…。

スポーツ・運動と自分肯定感の関係性

スポーツ・運動と自分肯定感の関係性をみる。
「Q2(i)自分についての誇り 体力、運動能力」 で『誇りを持っている』、及び「Q3(d)充実感 運動やスポーツに打ち込んでいるとき」で『あては まる』と回答した場合は、「Q1(a)自分自身に満足している」で『そう思う』(「そう思う」と「どち らかといえばそう思う」の合計)と回答した割合が高くなる。また同様に「Q1(b)自分には長所が ある」で『そう思う』と回答した割合が高くなる。

体力、運動能力で誇りを持つことができたり、運動やスポーツに打ち込んで充実感があると、自分自身に満足することができるし、自分には長所があると感じることができるという結果です。

体力、運動能力じゃなくても、何かに打ち込んで誇りを持つことができたり、充実できれば自分自身に満足できると思うので、 16.  成長を感じられる趣味や習い事をする というのは、やはり良いことだと思います。
私はダンスや習字を習っていますが、成長を感じることで満たされて、自己肯定感がますます高まっていくと感じています。

ただ、自己肯定感の低い人は他人と比べる傾向があるので(14.  他人の目が気になる&比較する)、誰かと比べなくてもいいような環境を選ぶと良いと思います。

充実感

充実感について日本の若者に聞いたところ、『あてはまる』(「あてはまる」と「どちらかといえばあてはまる」の合計)と答えた割合は「恋人といるとき」(82.3%)が最も高い。次いで、「趣味に打ち込 んでいるとき」(81.7%)、「友人や仲間といるとき」(74.4%)となっている。

恋人といる時は充実感がありますよね。
だからこそ、良い恋愛ができるよう自己肯定感を高めて欲しいです。
自己肯定感が低い女性の恋愛 20の特徴

悩みや心配事の相談相手

悩みや心配事の相談相手について日本の若者に聞いたところ、「母」(46.4%)が最も高く、次いで、 「近所や学校の友だち」(31.8%)、「父」(21.3%)、「きょうだい」(14.6%)となっている。「だれにも 相談しない」は 19.9%である。

思ったよりも「母親」という回答が多いと思いました。

なぜなら、20代以下で自己肯定感のお悩みをお持ちの方が多いのです。
私に相談をしてくださるのは嬉しいのですが、『他に相談できる大人がいない…』と言われたこともあり、ちょっと心配だったんです。

将来への希望

将来への希望を日本の若者に聞いたところ、『希望がある』(「希望がある」と「どちらかといえば希望がある」の合計)と答えた割合は 60.6%である。

7か国比較で見ると、『希望がある』と答えた割合が最も高いのはアメリカ(92.5%)で、次いでスウェーデン(89.0%)、イギリス(88.4%)、フランス(84.2%)、ドイツ(81.7%)、韓国(77.7%)、日 本(60.6%)となっている。

希望があるが60.6%なら悪くないな!と思ったけど、諸外国と比べると極端に低いですね…。
アメリカ、すごいなぁ。

友人関係の満足感

友人関係の満足感について日本の若者に聞いたところ、『満足』(「満足」と「どちらかといえば満足」 の合計)と答えた割合は 65.0%である。

7か国比較で見ると、『満足』と答えた割合はアメリカ(83.7%)で最も高い。次いで、ドイツ(81.6%)、 フランス(80.8%)も8割以上が『満足』と答えている。以下、イギリス(78.3%)、韓国(70.4%)、 スウェーデン(70.0%)、日本(65.0%)となっている。

満足が65.0%なら悪くないな!と思ったけど、やはり諸外国と比べると極端に低い…。

自国人であることに誇りを持っている

日本の若者は、61.2%が「はい」(自国人であることに誇りを持っている)と答えている。

7か国比較で見ると、「はい」と答えた割合はアメリカ(80.4%)で最も高い。次いで、スウェーデ ン(77.7%)、イギリス(75.6%)、フランス(73.8%)、ドイツ(66.5%)、日本(61.2%)、韓国(53.1%) となっている。

やはり諸外国と比べて低い結果になっています。
フィリピン人の友達にこの話をしたら「信じられない!」と言ってました。
諸外国の人からすれば日本人というだけで羨ましい存在なんですが、当の日本人はなかなかそれを感じられないというのは…悲しいことですね。

自国の将来は明るいと思うか

自国の将来は明るいと思うか日本の若者に聞いたところ、『明るい』(「明るい」と「どちらかといえ ば明るい」の合計)と答えた割合は 31.0%であり、『暗い』(「暗い」と「どちらかといえば暗い」の合 計)と答えた割合が 48.7%となっている。

7か国比較で見ると、『明るい』と回答した割合はアメリカ(67.6%)が最も高い。次いで、スウェ ーデン(62.0%)、ドイツ(60.7%)、イギリス(56.7%)、フランス(50.6%)、韓国(41.0%)、日本(31.0%) となっている。

これまた恐ろしく低い結果です…。理由は次の問いかな?

自国社会の問題

自国社会の問題について日本の若者に聞いたところ、「まじめな者がむくわれない」(39.8%)が最も 高い。次いで「学歴によって収入や仕事に格差がある」(35.9%)、「貧富の差がある」「よい政治が行わ れていない」(それぞれ 32.9%)となっている。

7か国比較で見ると、「貧富の差がある」は韓国(58.9%)やフランス(50.3%)、ドイツ(47.8%)、 イギリス(36.2%)で最も高い。アメリカとスウェーデンでは「人種によって差別がある」(アメリカ 49.4%、スウェーデン 36.9%)が最も高い。

1位は 「まじめな者がむくわれない」だけど、「学歴によって収入や仕事に格差がある」「貧富の差がある」「よい政治が行わ れていない」ほとんど同じですよね。
ま、確かに「まじめな者がむくわれない」ことを感じたことはあります。

社会で成功するために重要なもの

社会で成功するために重要なものを日本の若者に聞いたところ、「個人の努力」(31.3%)が最も高く、 次いで「個人の才能」(22.9%)、「運やチャンス」(18.6%)となっている。

7か国比較で見ると、韓国では「身分・家柄・親の地位」(43.5%)が4割を占め、他国に比べ高い 割合である。アメリカでは「身分・家柄・親の地位」(28.1%)と「個人の努力」(27.3%)が拮抗して いる。イギリス、フランス、スウェーデンでは、「個人の努力」が最も高く、次いで「身分・家柄・親 の地位」となっている。ドイツでも「個人の努力」(41.6%)が最も高く、他国と比べ高い割合である。

「身分・家柄・親の地位」が上位にきている諸外国に比べると、日本は個人の努力で成功できる国なのですね。
挑戦のしがいがありますね。

まとめ

高校生の生活と意識に関する調査」(国立青少年教育振興機構、2015年)によると、「自分はダメな人間だと思うことがある」と回答した者の割合は、 日本が 7 割を超え、4か国中最も高い結果になっています。
これをみると、自己肯定感の低さの原因は家庭環境だけではないことがわかります。

今回の調査報告書からわかることは、日本の若者が日本人であることに誇りをもてず、日本の将来に明るさを感じていないということ。
こんな状況で自分に満足できるはずもなく、自己肯定感が低くなってしまうんでしょうね…。

自己肯定感が低くなることには個人の性質も大きく関係するけど、環境も大きいですよね。
日本人であることに誇りをもって、将来に明るさを感じられる社会にするために、私は何ができるのだろうか…。

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